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2022年8月26日令和4年度公認会計士試験(論文式)の感想
2022年8月19日から3日間に渡って、公認会計論文試験が開催され、弊社スタッフの1人が受験してきました。
今回は、科目別にその感想を綴っていきます。
監査論
まず、第一問目は固有リスク、重要性の基準値、内部統制に関する問題でした。
解きづらさはあまり感じず、法令基準集の該当箇所さえ見つけてしまえば回答可能な問題もあり、
ここまでは、多くの方が順調だったのではないでしょうか。
そして、第二問目。昨年に引き続き四半期からの出題。
四半期財務諸表に訂正可能性があった点が問題全体の難易度を一気に引き上げた印象です。
問題1の「【状況 1 】を踏まえて、監査人Xの監査及び四半期レビューにおける証拠の入手状況を二つ仮定し、・・・」。
この抽象的で、曖昧な表現により、私自身なかなか回答の糸口が見えず、何度も修正テープで書き直してるうちに、
時間が大幅に削られてしまいました。非常に解きづらい問題だったと思います。
租税法
第一問目は置いといて、第二問目の計算。
法人税、所得税の問題数が少なく、例年時間が足りないでお馴染みの租税法とは打って変わって、
今年は割と時間内にすべての問題を解き切った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、法人税は、昨年は2か所の問題に対して、1つの回答箇所といったかなり鬼畜な作問でしたが、
今年は、1か所を除き、それ以前の形式にまた戻っていました。
そのため、全体的に難易度は高くなく、差が開きづらいといった印象です。
管理会計論
第一問目は、度外視・非度外視法と減損、バッチを絡めた実際総合原価計算と標準原価計算からの出題でした。
標準の方は、論述問題が多い一方、計算量が少なく済んだため、租税法と同様、時間に追われがちな管理会計にしては、
時間の余裕があったという印象です。
第二問目は、財務諸表分析、セールスミックス、外注or内製からの出題でした。
計算で取りこぼさず、論述で部分点をもぎ取れていればOKではないでしょうか。
財務会計論
第三問目は、概念フレームワーク、株主資本等計算書からの出題でした。
難易度は易しめではないでしょうか。
第四問目は、収益認識、税効果(法定実効税率)、自己新株予約権、退職給付からの出題でした。
注目すべきは収益認識基準の内容を論述でがっつり問われた点ですね。
当該基準が新設されてから、毎年のように出題されていますが、それでも試験前に計算の確認で済ませる方が
大多数だと思います。個人的に今年の出題から、これからは当該基準に対する学習を補論としてではなく、
1つの重要論点としてみっちり習熟させる必要があるなと強く感じました。
その他に関しては、見慣れない税効果、2年連続の出題となった退職給付と受験生の守備範囲の広さが問われた
第四問といったところでしょう。
第五問目は、連結からの出題でしたが、なによりもIFERS適用の在外子会社の連結修正が問われたことが驚きでしたね。
問題文を参考にし「よく考えれば」解けた問題で、受験生の適用力が問われた問題でした。
企業法
第一問目の問題1は、代表取締役の選定、効果不帰属の原則、重要な業務執行といった複数の論点が絡んだ問題でした。
そのため、回答行数に対して書く量が多く、何をどの順番で、どの程度書けばいいのか悩んだと思います。
問題2は、見たことがあるようでない問題だったように思います。なので、適切な条文番号を挙げていれば、
問題はないと考えております。
第二問目は、「出るかもしれない」と言われ続けて長い間出題されてこなかった会社分割からの問題でした。
問題1は説明型問題であるため、あまり問題はないと思います。
ただし、問題2は、会社分割をきっちり理解していないとかなり厳しい印象です。
経営学
第二問の計算に関して、前半はかなり易しめな問題が続いていましたが、その反動か後半は難易度が爆上がりした
印象です。私自身、損失分布の問題はさっぱりでした。
総轄として、今年の問題は時間的に余裕があり、問題の難易度に差がある印象です。
なので、イージーミスが命取りになるのかなと思います。
最後に、受験者の皆が最終的に笑っていられることを切に願っております。
私も早く受かりたい(笑)