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必ず領収書は必要か?

税務

2021年9月2日

必ず領収書は必要か?

「月額利用料を口座振替とし、請求書の代わりに通知ハガキを発行しているクライアント(個人事業主)から『通知ハガキではなく領収書(請求書)じゃないと経費計上できないと税理士に言われた。』とお問い合わせを頂きました。実際のところどうなのでしょうか?」

 

と、先日お客様からこのような質問を頂きました。

領収書でないと経費計上できないのか?

この場合の論点は、

「経費計上するためには何が必要か?」

「請求書として必要な要件は何か?」

といったところにあります。

 

所得税の青色申告の要件として、帳簿及び書類の保存というものがあります。

この場合の書類とは、「相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類…」とされていることから、必ずしも領収書が必要ではないことが分かります。

 

例えば、申込書(パンフレットや見積書)と通帳から取引の内容は十分確認できますので、領収書がなくても所得税(事業所得)申告のうえでは問題ありません。

 

さらに言えば、相手方から発行されなかったり自分が受け取らなかった場合は書類の保存義務がないと考えられますので、会計帳簿に必要事項がしっかり記載されていればこれまた問題ありません。

 

一方、消費税においては、仕入税額控除の適用を受ける場合には請求書等の保存が必要となります。

当該事例において請求書等とは、次の要件をすべて満たすものとなります。

  • 書類の作成者の氏名又は名称
  • 書類の交付を受ける者の氏名又は名称
  • 年月日
  • 取引の内容
  • 税込価額

通知ハガキが上記の要件をすべて満たす場合には請求書等として認められるため、仕入税額控除の適用を受けることができます。

 

したがって、上記より通知ハガキのみでも所得税と消費税の計算上十分問題ないということになります!

 

<参考>

・所得税法第63条1項3号

・消費税法第30条7項

 

 

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